「夫婦のうち一人だけ介護が必要になったら、老人ホームには二人で入居できるのだろうか?」
「介護が必要な配偶者と一緒に暮らしたいけれど、もう一人はまだ元気なので、どの施設を選べばよいかわからない」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
高齢になると、夫婦のどちらか一方だけが要介護状態になり、在宅介護を続けることが難しくなるケースがあります。しかし、介護が必要な方だけが施設に入居すると、長年連れ添った夫婦が離れて暮らすことになり、不安を感じることもあるでしょう。
実は、老人ホームには、夫婦で入居できる施設や、介護が必要な方と自立している方が一緒に暮らせる施設があります。ただし、施設によって受け入れ条件や介護サービス、費用、夫婦同室の可否が異なるため、事前の比較が大切です。
この記事では、夫婦の片方だけに介護が必要な場合の老人ホームの選び方、費用、入居条件、施設探しで失敗しないためのポイントを詳しく解説します。
夫婦の片方だけ介護が必要でも老人ホームに入居できる?
結論からいうと、夫婦の片方だけに介護が必要な場合でも、二人で老人ホームに入居できる可能性はあります。
ただし、すべての老人ホームが夫婦での入居に対応しているわけではありません。
特に確認したいのが、次の3点です。
- 夫婦二人での入居が認められているか
- 自立している方と要介護の方が一緒に生活できるか
- 介護が必要な方に適切な介護サービスを提供できるか
例えば、夫は自立しているものの、妻には日常的な介護が必要な場合、夫婦で同じ施設に入居できれば、離れて暮らす不安を軽減できる可能性があります。
一方、施設によっては入居者本人にも一定の介護度を求めたり、夫婦それぞれに個室契約を必要としたりする場合があります。
そのため、施設探しでは「夫婦で入居したい」という希望だけでなく、それぞれの健康状態や介護の必要性を伝えて相談することが重要です。
夫婦で入居できる老人ホームの種類
夫婦の片方だけに介護が必要な場合、候補となる施設はいくつかあります。
1.サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住は、高齢者が安心して生活できるように配慮された賃貸住宅です。
安否確認や生活相談などのサービスが基本となり、施設によっては食事の提供や介護サービスも利用できます。
夫婦向けの住戸を用意している物件であれば、自立している配偶者と介護が必要な配偶者が一緒に暮らせる可能性があります。
ただし、介護サービスの提供体制は物件ごとに異なります。介護度が高い方や、夜間にも見守りが必要な方は、必要な支援を受けられるか確認しましょう。
おすすめの方
- 夫婦で同じ住まいに暮らしたい方
- 一方は自立していて、もう一方には介護サービスが必要な方
- できるだけ自宅に近い生活環境を希望する方
2.介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、介護が必要な高齢者に対して、施設の介護体制のもとで生活支援や介護サービスを提供する施設です。
夫婦で入居できる施設もありますが、夫婦同室に対応しているか、二人それぞれの介護度に対応できるかは施設によって異なります。
例えば、妻には食事や入浴の介助が必要で、夫は基本的に自立している場合でも、双方の受け入れに対応している施設なら入居を検討できます。
ただし、自立している方の入居条件が設けられていることもあるため、事前の確認が必要です。
おすすめの方
- 介護が必要な配偶者を手厚くサポートしてほしい方
- 介護職員のいる環境で生活したい方
- 将来的に介護の必要性が高まる可能性も考慮したい方
3.住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、高齢者向けの生活支援や食事などを提供する施設です。介護が必要になった場合は、原則として外部の介護サービスなどを利用します。
夫婦での入居に対応している施設もあり、自立している方と介護が必要な方が一緒に暮らせる可能性があります。
ただし、利用できる介護サービスや職員の配置、夜間の対応は施設ごとに異なります。
介護が必要な方については、必要なサービスを十分に利用できるか、費用がどの程度かかるかを確認しましょう。
4.ケアハウス
ケアハウスは、家庭での生活が難しい高齢者が、比較的低額な料金で食事や生活支援などを受けられる施設です。
施設によって受け入れ条件が異なり、夫婦で利用できる場合もあります。
ただし、介護度が高くなった場合に継続して生活できるかどうかは、施設の体制によって異なります。
費用を抑えたい方にとって候補の一つですが、夫婦それぞれの健康状態や介護の必要性を踏まえて検討することが大切です。
夫婦で同じ部屋に入居できる?
夫婦で老人ホームへの入居を検討する場合、特に気になるのが「二人で同じ部屋に住めるか」という点ではないでしょうか。
夫婦同室に対応している施設はありますが、すべての施設で可能なわけではありません。
施設によっては夫婦用の居室が用意されている一方、それぞれが個室を契約する必要がある場合もあります。
同室を希望する場合は、次の項目を確認しましょう。
- 夫婦二人で利用できる居室があるか
- 一方が要介護でも同室で生活できるか
- ベッドや介護用具を置くスペースがあるか
- 夜間の介護や見守りに対応できるか
- 将来、介護度が上がった場合も同室で暮らせるか
例えば、妻に歩行介助が必要な場合、車いすや介護用ベッドを使用することがあります。居室の広さや設備によっては、夫婦同室での生活が難しくなる可能性もあります。
また、認知症の症状や夜間の介助などによって、同室での生活が双方の負担になるケースも考えられます。
そのため、同室での入居にこだわりすぎず、必要に応じて近い部屋で暮らす方法も含めて相談すると、選択肢を広げられます。
夫婦の片方だけ介護が必要な場合の費用
老人ホームの費用は、施設の種類や立地、居室、介護サービスの利用状況などによって異なります。
夫婦で入居する場合は、一人分の費用だけでなく、二人分の月額費用を考える必要があります。
主な費用項目は次のとおりです。
- 入居一時金
- 家賃や居住費
- 管理費
- 食費
- 介護サービスの自己負担額
- 医療費や薬代
- おむつ代などの日用品費
夫婦同室で入居できれば、別々の居室を利用する場合と比べて住居費を抑えられる可能性があります。ただし、二人分の食費や管理費などが必要になることも多く、同室なら必ず安くなるとは限りません。
自立している配偶者にも費用がかかる
注意したいのが、介護を受けない配偶者にも入居費用が発生する点です。
例えば、妻だけが介護サービスを利用する場合でも、夫の居住費や食費、管理費などは別途必要になることがあります。
また、施設によっては自立している方の入居条件や料金設定が異なります。
契約前には、夫婦それぞれの月額費用と、二人合計の費用を確認しましょう。
入居一時金の有無も比較する
老人ホームによっては、入居時にまとまった費用が必要な場合があります。一方、入居一時金が不要な料金プランを用意している施設もあります。
ただし、入居一時金が不要でも、月額費用やその他の負担が高くなることがあります。
単純に初期費用だけで比較するのではなく、5年間、10年間など、長期的に生活した場合の総額を試算することが大切です。
夫婦二人で老人ホームに入居するメリット
1.離れて暮らす不安を軽減できる
介護が必要な配偶者だけが施設に入ると、残された配偶者が寂しさや不安を感じることがあります。
夫婦で同じ施設に入居できれば、日常的に顔を合わせながら生活できる可能性があります。
長年一緒に暮らしてきた夫婦にとって、生活環境が大きく変わらないことは安心につながるでしょう。
2.在宅介護の負担を減らせる
自宅で介護を続ける場合、配偶者が介護の中心的な役割を担うことがあります。
しかし、介護する側も高齢であれば、身体的・精神的な負担が大きくなりがちです。
老人ホームで介護サービスを利用することで、配偶者だけに介護の負担が集中する状況を改善できる可能性があります。
3.将来の生活をまとめて考えられる
現在は一方だけに介護が必要でも、将来的にはもう一方にも支援が必要になる可能性があります。
夫婦それぞれの健康状態に対応できる施設を選べば、将来の生活についても計画を立てやすくなります。
ただし、介護度の変化によって居室や施設の変更が必要になることもあるため、長期的な受け入れ方針を確認しておきましょう。
夫婦で老人ホームに入居するデメリット・注意点
1.二人分の生活費が必要になる
夫婦で入居すると、家賃や管理費、食費などが二人分必要になる場合があります。
年金だけで支払えるか、預貯金をどの程度取り崩すことになるかを確認しましょう。
2.同じ施設でも介護の対応が異なる
夫婦の片方だけに介護が必要な場合、必要なサービスはそれぞれ異なります。
介護が必要な方には十分な支援があっても、自立している方が希望する生活を送れるとは限りません。
施設の設備や活動内容、食事、外出のルールなども確認しておくことが大切です。
3.将来、別々の居室になる可能性がある
入居時には同室で暮らせても、介護度の上昇や医療的なケアの必要性によって、居室の変更や転居を求められる可能性があります。
契約前に、介護度が上がった場合の対応や、夫婦が離れた部屋になる条件について確認しておきましょう。
失敗しない老人ホームの選び方5つ
1.夫婦それぞれの入居条件を確認する
まずは、介護が必要な方と自立している方の両方が入居対象になるかを確認しましょう。
要介護認定の有無、年齢、認知症の症状、医療的なケアの必要性などによって、入居できる施設が異なります。
2.夫婦二人分の総額を確認する
パンフレットに記載された料金が一人分なのか、夫婦二人分なのかを確認することが重要です。
介護サービスの自己負担額や医療費なども含め、毎月いくら必要になるかを試算しましょう。
3.介護サービスの内容を確認する
介護が必要な方が安心して生活できるよう、食事・入浴・排せつの介助、夜間の見守り、緊急時の対応などを確認しましょう。
特に、認知症や持病がある場合は、対応可能な範囲を具体的に聞くことをおすすめします。
4.夫婦同室の可否を確認する
夫婦用の居室があるかだけでなく、介護が必要な方と自立している方が同じ部屋で生活できるかも確認しましょう。
可能であれば、実際に居室を見学し、広さや介護設備、生活動線を確かめると安心です。
5.複数の施設を比較する
最初に見つけた施設だけで決めず、複数の老人ホームを比較しましょう。
施設ごとに費用やサービス、入居条件、夫婦同室の可否などが異なるためです。
資料を取り寄せて比較すると、自分たちの希望に合う施設を見つけやすくなります。
老人ホーム探しで迷ったら、紹介サービスを活用する方法もある
夫婦の片方だけに介護が必要な場合、一般的な老人ホーム探しよりも確認する項目が多くなります。
夫婦で入居できるか、自立している配偶者も受け入れてもらえるか、介護度が上がっても暮らし続けられるかなど、施設ごとに調べる必要があるからです。
そこで検討したいのが、老人ホームの紹介サービスです。
紹介サービスでは、希望する地域や予算、介護度などを伝えて、条件に合う施設を探すサポートを受けられる場合があります。
夫婦での入居を希望する場合は、相談時に次の内容を伝えるとよいでしょう。
- 夫婦二人での入居を希望していること
- どちらに介護が必要なのか
- 介護度や認知症の有無
- 夫婦同室を希望するかどうか
- 毎月の予算と入居時に用意できる金額
- 希望する地域や入居時期
紹介サービスによって、相談方法や紹介できる施設、対応エリアなどは異なります。
利用する際は、相談料や紹介料の有無、紹介対象となる施設の範囲なども確認しておきましょう。
複数の施設を一つずつ調べるのが難しい方は、紹介サービスを利用して候補を絞り込む方法も有効です。
よくある質問
Q.夫婦の片方だけが要介護でも二人で入居できますか?
施設によっては可能です。夫婦での入居に対応していることに加え、自立している方と要介護の方を受け入れているか確認しましょう。
Q.介護が必要な妻と元気な夫が同じ部屋で暮らせますか?
夫婦同室に対応している施設であれば、可能な場合があります。ただし、介護度や居室の設備、施設の運営方針によって条件が異なります。
Q.夫婦で入居すると費用は安くなりますか?
同室利用によって居住費を抑えられる可能性はありますが、食費や管理費などが二人分必要になることがあります。必ず夫婦合計の見積もりを確認しましょう。
Q.自立している配偶者だけでも老人ホームに入居できますか?
施設によって異なります。自立している高齢者も入居できる施設がある一方、要介護認定などを入居条件としている施設もあります。
Q.介護度が上がっても夫婦で一緒に暮らせますか?
施設の介護体制や受け入れ条件によります。入居時だけでなく、将来の介護度の変化や医療的なケアが必要になった場合の対応も確認しましょう。
Q.老人ホームを探すときは何から始めればよいですか?
まずは、夫婦それぞれの健康状態、希望する生活、予算、希望地域を整理しましょう。そのうえで、夫婦入居に対応している施設を複数比較し、見学や相談を進めると効率的です。
まとめ:夫婦の片方だけに介護が必要なら、二人の希望に合う老人ホームを探そう
夫婦の片方だけに介護が必要になった場合でも、夫婦で入居できる老人ホームを見つけられる可能性があります。
ただし、施設によって夫婦同室の可否、自立している方の受け入れ条件、介護サービスの内容、費用などは異なります。
施設選びで大切なのは、介護が必要な方の支援体制だけでなく、もう一方の配偶者が安心して生活できる環境も考えることです。
特に確認しておきたいポイントは、次の5つです。
- 夫婦二人で入居できるか
- 夫婦同室で生活できるか
- 必要な介護サービスを受けられるか
- 二人分の費用を無理なく支払えるか
- 将来、介護度が上がっても生活を続けられるか
まずは夫婦で入居できる老人ホームの資料を取り寄せ、費用やサービス、入居条件を比較することから始めてみましょう。
希望に合う施設を早めに探しておけば、いざというときに慌てずに選択しやすくなります。夫婦二人ができるだけ安心して暮らせるよう、それぞれの状況に合った施設を検討してみてください。

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